普段の練習では普通に演奏できるのに演奏会では緊張してうまく吹けないという人は少なくはないと思います。
どうすれば緊張しないで演奏できるようになりますか?と聞かれる事もよくあります。
どれだけ練習・演奏会を重ねても緊張しますし、私も若いころは緊張して手足が震えて実力が全然出せない演奏会を繰り返してた時期もあります。
しかし緊張の本質を理解しすればするほどに、緊張とのうまく付き合い方が分かるようになりした。
今回はその緊張について解説していきたいと思います。
みなさんの緊張への苦手意識は
- 普段は平気なのに本番になると体が思うように動かなくなる
- 元々、人前に出ることが苦手です。
- お客の顔は「かぼちゃ」だと思えって言われたけど、やっぱり人の顔にしか見えない…
この様な感じでしょうか?では一緒に考えてみましょう。
緊張については解決方法を色んな人に聞いて試して、本読んで調べて…と
みんなと一緒で私もすごい緊張する人間なので気持ちはわかるよ!
緊張とは
辞書で調べると〈体や心が張り詰めた状態にある事〉と書いてあります。
ドキドキして軽く喉が渇いたり汗をかいたりして普通の状態ではない事。
みんなの前や演奏会などで1人で演奏する時とかこんな状態になるのではないでしょうか?
実は緊張は大昔から人に備わっている防衛本能なんです。
緊張は本能的に人に備わっている感情で、何も考えずに呼吸するのと同じくらい普通の行動なのです。
脳のなかで緊張する時に分泌される「ノルアドレナリン」という物質があるのですが、それは「やる気」「集中力」を増す効果があるそうです。
しかし適度な分泌でないと心が不安になったり、やる気がなくなったりしてしまいます。
緊張はどんな人でも感じるものだよ。
緊張しないという人は緊張していることに気付いていないかも?
なぜ緊張するのか
緊張は本能的に人に備わっている感情だと前の項目で説明しましたが、ホルンに置き換えて考えてみましょう。
どんな時に体が言う事を聞かない位の緊張するのかというと
「もう、どうにもならない」とか「何とかしなければならない」とか思っているときに、人前や演奏会本番に出ていかないければならない時でしょうか。
それとも、「いつもよりももっと上手に演奏しなければ」と思う事でしょうか。
いずれにせよ、普段の自分よりもレベルの高い事を演奏会でやり遂げなければならない状態に過度に緊張することが多いようです。
普段の状態(緊張をあまりしていない)←実力が発揮できる
緊張しすぎた状態←実力が発揮できない
その実力が発揮できない状態で実力以上の事をしようとするなんて矛盾してるね。
緊張への対処法
私も実践してる緊張への対処法です。参考になると思うのでみなさんもやってみてください。
- 普段の練習から緊張感をもって
- ドキドキした状態をわざと作って吹いてみる
- とにかく繰り返して体に覚えさせる
- 成功のイメージをしっかりと持つ
- それでも起こる失敗には優しい気持ちで向き合おう
それぞれを解説していきます。
「普段の練習から緊張感をもって」
普段から緊張感をもって練習する事です。
例えばロングトーン1つにしても、ホールで2000人の前で1人で演奏していると思って吹くのと、眠いなと思って吹くのでは全然違います。
「ドキドキした状態をわざと作って吹いてみる」
心臓がドキドキした状態でうまく演奏できないのであれば、少し運動してから心拍数が高い状態で練習してみるの良いかもしれません。
「とにかく繰り返して体に覚えさせる」
緊張した状態を想定してそれに似た状態を疑似的に作り出しその状態で練習する事も対処法として有効です。難しく演奏が困難なフレーズは100回でも200回でも繰り返し練習して、何回でも連続して成功できるまでやり続ける事も有効手段です。
「成功のイメージをしっかりと持つ」
どれだけ準備して演奏会に挑んでも、やはり不安は消える事はありません。いざという時に「失敗するかも」って思うと実際に失敗してしますものです。
成功した時を繰り返しイメージする事で、いざという時に勝手に心で「成功のイメージ」が再現される様に反復練習してみてください。
「それでも起こる失敗には優しい気持ちで向き合おう」
自分の出来る準備を全てやっても、失敗する事もあります。
しかし、それはしょうがない事。なぜなら私たちは人間なので機械の様に常に完璧な事はできないのですから。失敗したときは、自分が自分に「大丈夫だよ。私はよくがんばったんだから。」と誰よりも優しく励ましてあげてください。
何が起きても大丈夫と思えるだけの準備、練習を普段から積み上げる事が自分に自信(絶対にうまくいく)という気持ちを持たせてくれるよ。
世界的なプレーヤーもその気持ちがあるからどんなに大きな演奏会があってもミスなく演奏できるのかもしれないね!
実は緊張は良い事も
緊張の中で分泌される「ノルアドレナリン」というものがありました。
これは適度な分泌量だと、やる気や集中力を増す効果があります。
やる気と集中力が極限まで高まった状態。これをスポーツなどではよく「ゾーン」と呼ばれます。
普段よりも力が出せる状態という事ですね。
普段の練習から「ゾーン」に入る訓練をしておくと良いかもしれません。
私はオーケストラで、大切なソロを吹く前には必ず大きくゆっくりと呼吸を2、3回すると決めています。
これが自分自身にいつもよりも集中して演奏するぞという合図になるように。
とはいえ普段からの積み重ねた練習、自信があった上での「ゾーン」なのでしっかりと自信がつくまで練習しましょう。
うまい人を観察してみよう!
何か集中する為の秘策があるかもだよ!
緊張しない事は良い事ではない
人によっては緊張しないで集中するのがいいんだよ。って意見も聞こえてきそうですが、
集中する事とは、散漫な意識を1点に集める事。そこには適度な緊張が発生します。
全く緊張しないというのは全く集中できていないと同じなので逆に良くないです。
例えば、集中できてないから簡単な所で音をミスした。音を出すタイミングを間違えた。の様な気を付けていれば防げるものです。
こういう時は演奏する力はあるのに全然発揮できない状態になってしまいます。
これはただ、まわりの人に迷惑をかけるだけなので最低限の緊張(集中力)をもって演奏会に臨むようにしましょう。
何故か全く緊張しない本番を何度か経験したことがあるよ。
凡ミスばっかりで本当に周りに迷惑をおかけしました。
あの時、一緒に演奏したみなさん。ごめんなさい!!
まとめ
緊張はよくない事と大多数の人は思っていますが、プロや上級者の人たちは適度に緊張出来ない事が良くない事だと知っています。
「緊張=敵」ではなく、上手に付き合っていけば頼もしい味方にもなるものだと考えてみるとうまく付き合っていけるようなきがします。
日々の練習や考え方を見つめ直して、しっかりと自分に自信をつけて良い演奏会を迎えましょう。
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