現代のホルンのスタンダードはフルダブルホルンだと思います。
そしてフルダブルホルンはF管とB♭管の2つを基準とした管で構成されてます。
今回はそんなF管とB♭管について知っているようで知らない事について考えてみようと思います。
押してF管、押してB♭管どっちがおすすめ?
色んな考え方があると思いますが、どっちがおすすめかと言いますと…
押してF管がオススメです!
その理由を今から説明したいと思います。
押してF管のメリット
- 左手のリラックスにつながる。
- 特殊管(hiF管の付いた楽器)を吹く時に運指に気を取られない。
「左手のリラックスにつながる」
基本的にB♭管を使って演奏するので親指を抑え続けなくて良いので左手に力を入れ続けなくて済む。
体は出来るだけリラックスした状態で呼吸する事が基本ですよね!
「特殊管を吹く時に運指に気を取られない」
普段、演奏する事はほぼないと思いますが、ホルンの仲間にhiF管が付いた楽器を演奏する時は押しFが基本構造なのです。
いつもと親指の動きが逆というだけで、普段通りの演奏する事が困難になります…
基本的にはB♭管を中心に使ってF管は補助的に使うが理想的だよ!
基本的にB♭管を使うけど、じゃあいつF管使うの?
今のフルダブルホルンでF管を使う場面は
音程の補正、音色のコントロールで使います。
音程の補正
まずはこの表を見てください。
B♭管 | F管 | 音程差 | |
0 | 0㎝ | 0㎝ | 0cent |
2 | 0㎝ | 0㎝ | 0cent |
1 | 0㎝ | 0㎝ | 0cent |
3 | 0㎝ | 0㎝ | 0cent |
12 | -2.1㎝ | -2.9㎝ | 11cent |
23 | -3.3㎝ | -4.5㎝ | 16cent |
13 | -6.7㎝ | -9.2㎝ | 31cent |
123 | -12.7㎝ | -17㎝ | 54cent |
金管楽器の構造で運指によってどれだけ管の長さが足りなくて音程が高くなるかの表です。
和音を作るときに「ドミソ」の「ミ」の音は少し低めに演奏しましょう!って聞いた事あるかと思いますが、
その少し低めが約14centです。その感覚から考えると
少しでコントロールできる範囲は「23」までで「13」「123」に至ってはたくさんのコントロールが必要になります。
なので、B♭管でその運指が必要になる音
この音が出てくるときはF管を使うと運指は「F0」「F2」にすると良い音程を演奏する事が簡単になります。
13や123の運指は出来るだけ使わずに演奏するのがセオリーだよ
その他には
金管楽器は1つの運指でたくさんの音が出ます。
それは自然倍音と言うのですが、出てくるそれぞれの音に音程の癖があります。
この2つの音は普通に演奏すると少し低めになる音なので「F0」「F2」を使う事もあります。
しかし、この辺はコントロール出来ないわけではないので好みが分かれる所でもあります。
音色のコントロール
F管の方がB♭管よりも長い管で演奏する事になるのでより倍音を含んだ柔らかく響いた音色を得る事が出来ます。
ですが、特に高音域をあえて長い管で演奏すると音が外れやすいといったリスクも伴います。
後はppの時の発音がやりやすい、ffの時の金属的な割れた音色が出しやすいといった利点もF管にはあります。
F管はやっぱり音色が良いよね
使える時はどんどん使って行きたいよね!
日々の基礎練に最適
元々はFホルンが先に作られて、B♭ホルンは後から開発された経緯があります。
世界的に有名なウィーンフィルでは、今でもFホルンを使っているくらいですから。
ロングトーンでの音作り、リップスラーの練習といった基礎トレーニングはF管を使ってしっかりとホルンの音を作っていく事が良いと思います。
管が長い分、より深いブレスが必要になり曲を演奏する時にB♭管を使った時の安定性が変わってきます。
まとめ
基本はB♭管を使い補助的にF管を使っていくのは多くの人がやっている事かもしれませんが、
ほとんどのホルンは楽器の出荷時に「押してB♭」の状態で納品される為、多くの人がそのまま使っているのではないでしょうか?
今の楽器は親指のキーはB♭Fを変更する事が出来るので是非「押してF」の状態で演奏してみて欲しいです。
はじめのうちはなかなか慣れずに苦労するかもしれませんが、要は慣れなのでそのうちに気にせずに使える様になります。
左手のリラックスは呼吸や姿勢に影響してくるので、チャレンジしてみてください。
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