ホルンの音を発音する時に使うタンギングとは舌を使って音の始めや終わりの形をコントロールする演奏技術です。
レガートやテヌート、スタッカート、マルカートなどのアーティキュレーションをつけて演奏する為に欠かせないテクニックなのです。
今回はレガートやテヌートなどの弱めなタンギング。スタッカートやマルカートなどの強めのタンギング。
それからシングル・ダブル・トリプルタンギングといったタンギングを練習していきたいと思います。
タンギングが上達する事のメリット
タンギングが上達する事のメリットは
- 表現の幅が広がる
- 細かい音の粒まで演奏できる
- 実はリラックスしたアンブシュアにつながってる
こんな感じでしょうか?それぞれ詳しく解説します。
「表現の幅が広がる」は
発音の仕方を変える事によって「弱く」「強く」「柔らかく」「固く」など色んな音が出せる様になります。
「細かい音の粒まで演奏できる」は
ダブル・トリプルタンギングを駆使して使っていく事によって速い音符を正確に演奏する事が出来る様になります。
「実はリラックスしたアンブシュアにつながってる」は
速くシングルタンギングをしようとすると、舌がリラックスした状態じゃないとうまくいきません。
練習していって速く出来る様になるという事は、口の中とその周辺のリラックスも同時にやっているという事にります。
シングルタンギング
シングルタンギングの基本形
シングルタンギングとは特別に何もしない普通のタンギングの事です。
楽器もマウスピースも持たずに
「たたたたたたたたたたたたた」と言ってみてください。
言えますよね?その舌の動きがタンギングです。
次にマウスピース、次に楽器をつけて音を出しながら「たたたた」言ってみましょう。
音が切れますよね?それがタンギングという奏法です。
タンギングを使わずに演奏すると細かく速い音の粒を作ることが難しくなるよ。
かなり基本的な奏法なので、きっちりできるようになろう!
楽器を持ってやってみましょう
では実際に楽器を持って楽譜を見ながら練習します
- 音の始まりができるだけぶるぶる鳴らない様にはっきり発音しましょう
- 上の楽譜では音域が狭いですがより高い音、低い音でも練習してみましょう。
- 音域が変われば発音のときの「た」の形を変えて「ち」とか「と」に変えていかないとうまく発音出来ない事がわかってくると思います
- 始めはゆっくりなテンポ、慣れてくればより速いテンポでやってみましょう。
どうしても音の始まりがクリアにならない時は、マウスピースで出てる音と本当に出したい音がずれているかもしれないよ。
1度マウスピースだけで確認してから楽器につけて練習してみよう!
音の形を変えてみよう
音楽の表現には色んなタンギングのやり方で強い音、優しい音などを表現していきます。
・レガート(滑らかに)で演奏する場合は発音を「た」から「な」とか「の」に変えて演奏
・テヌートの場合は音と音の間があまり空かない様に演奏
・スタッカートの場合は音を短く「たっ」「たっ」といった感じで演奏
・マルカートの場合は「た」の発音を使い音の輪郭がはっきりするように演奏
それぞれの意味の様な音が出せればOKだよ。
練習用の課題で音の形を変えて再チャレンジしてみよう♪
ダブルタンギング
ダブルタンギングとは
シングルタンギングの「T」の発音だけでやっいたタンギングに「K」の発音も使って「TKTK」とおこなうタンギングです。
すこしやってみましょう。
「たたたた」とか「とととと」など口ずさんでみてください。
では次に
「たかたかたかたか」とか「とことことことこ」と口ずさんでみてください。
後にやった方が沢山の言葉を短い時間に喋ることができます。
この1文字に1音符を割り当てて演奏する事が出来れば速く細かい音符を演奏することが出来るようになるというわけです。
ダブルタンギング練習
実際にやってみましょう。
まずはこの楽譜をやってみます。
はじめのうちはどうしても「K」が弱くはっきりした発音ができないと思います。
それは「K」の発音に慣れてないだけなので、自分で「K」の発音が慣れるまで何度も繰り返して練習すれば出来るようになってきます。
では慣れるためにこの楽譜を練習してみましょう。
「Ku」の部分のアクセントを思った以上に強調して練習すると効果があがるとおもうよ
慣れてきたら本格的に練習していきましょう。
- 慣れるまで速く練習するだけではなくゆっくりのテンポでしっかりと「T」と「K」のバランスを確認しましょう。
- 「たかたか」でだめなら「ちきちき」「つくつく」「てけてけ」「とことこ」など自分にあった発音で挑戦してみてください。
- 実は速く演奏している時の舌はあまり力が入っていなくリラックスしている状態なのです。「K」の発音に気を取られすぎずやってみるのも上達の鍵になると思います
トリプルタンギング
トリプルタンギングとは
ダブルタンギングは「TK」の2つの塊を続けてやっていくタンギングでしたが、
トリプルタンギングは「TKT」「TTK」と3つの発音の塊を続けてやるタンギングです。
トリプルタンギングは3連符が出てくる場面でテンポの速い時に必要になってきます。
トリプルタンギング練習
はじめのうちは舌の動きになれなくて難しく感じると思いますが、ダブルタンギングをマスターしてきた皆さんならすぐになれると思います
ですが、とりあえずゆっくりから練習して行きましょう。
まずはこの楽譜をやってみます
今回は「TKT」でしたが、「TTK」でも構いません。自分に合う方でやってみてください。
ダブルタンギングの時と同様に「K」の所にアクセントを強めに付けて均一に音が鳴るように練習してみるのもいいかもしれません。
では慣れてきたらこの様に練習して行きましょう
慣れるまで速く練習するだけではなくゆっくりのテンポでしっかりと「T」と「K」のバランスを確認しましょう。
「たかた」でだめなら「ちきち」「つくつ」「てけて」「とこと」など自分にあった発音で挑戦してみてください。
実は速く演奏している時の舌はあまり力が入っていなくリラックスしている状態なのです。「K」の発音に気を取られすぎずやってみるのも上達の鍵になると思います
あせらず毎日少しずつ練習していこう。
早口言葉のように繰り返せば慣れて出来る様になるよ!
まとめ
タンギングが出来るになると音の粒をコントロールできるようになるので表現力がすごく変わってきます。
特にシングルタンギングに重点を置いて練習してマスターする事を強くお勧めします。
ダブル・トリプルタンギングはシングルタンギングほど使う場面はないかもしれませんが、出て来た時にぱっと対応できるとかっこいいですよ!
ダブル(2)とトリプル(3)の組み合わせで出来ない連符は何もありません。
5連符なら2+3ですし、7連符なら2+2+3の様にすぐに応用できると思います。
コメント