現代のホルンという楽器は、フレンチホルンと呼ばれることが多い楽器の種類です。
そしてホルンを吹いている人が使っている楽器のほとんどがフルダブルホルンという種類のホルンです。
私もそれを使っています。
進化の末にほとんどの曲をストレスなく演奏することが出来るように改良されてきた結果が今のホルンなんです。
でも、実はホルンにも色んな種類の楽器があります。
大きく分けて3種類とその他、そして名前は似てるけどホルンの仲間じゃない楽器全部で5種類紹介します。
それでは見ていきましょう。
シングルホルン
シングルホルンは構造が他のホルンに比べてシンプルで軽い事が特徴です。
そして、構造がシンプルなためにお値段も安い。
それではシングルホルンの特徴を見ていきましょう。
Fシングルホルン
Fシングルホルンは音色が柔らかくいわゆるホルンらしい音が出ますが、高音域では音が外れやすくて演奏が難しいという欠点もあります。
主管の長さは約360cmあります。
B♭シングルホルン
B♭シングルホルンはFホルンに比べて音色が華やかで明るい音が当たりやすくなるという様な特徴があります。
Fホルンに比べると音色の柔らかさが少し失われた傾向にあります。
主管の長さは約270㎝あります。
デスカントホルン
デスカントホルンはFホルンの半分の長さで構成されたホルンです。
B♭ホルンに比べて更に明るく硬くなりますが、高い音が当たりやすくなります。
バッハの曲など特定の曲で使う事がある位なので、めったにお目にかかる事はない楽器です。
主管の長さは約180㎝です。
ダブルホルン
現在では一番使われている楽器です。ホルンといえばこれ!といった感じでしょうか。
それではダブルホルンの特徴をみていきましょう。
セミダブルホルン
見た目にはダブルホルンとほとんど変わりはありません。音が鳴るときに息が通る道が少し違います。
ダブルホルンはFホルンとB♭ホルンがくっついた楽器なのですが、この楽器はFホルンを吹く場合1度Fホルンの通ってからB♭ホルンの道を通ります。
そのためFホルンを吹く場合道がくねくねと急カーブしすぎるため吹奏感が悪くなるといったデメリットがあります。
しかし、フルダブルホルンよりは楽器が軽いというメリットもあります。
普段はほとんどFホルン部分を使わないという人にはメリットの方が大きい楽器です。
フルダブルホルン
私も含めてほとんどのホルン吹きがメインで使っている楽器です。
フルダブルホルンはFホルンとB♭ホルンがお互いを回り道せず、独立して息が通るように作られた楽器です。
ですから、どちらの管を使っても音色を損なう事なくホルンらしい柔らかな音色を広い音域で作ることが可能な楽器です。
セミダブルホルンに比べてFホルン部分の柔らかく音色も作りやすいのですが、楽器自体が少し重たくなってしまいます。
このほかにも、B♭とHigh-Fの管を組み合わせた高い音に能力を振ったデスカント・ダブル・ホルンという楽器もあります。
トリプルホルン
トリプルホルンは1つの楽器の中に3つのシングルホルン(F.B♭.High-F)をまとめた楽器です。
もうなんでも吹ける!って感じの楽器なのですが、とても重たいです。
そして、構造も複雑に他のホルンに比べてとても高価な楽器です。
その他のホルンの仲間たち
普段はめったにお目にかからない楽器です。
しかし、まだまだ現役バリバリですよ!
ウィンナホルン
ウィンナ・ホルンは世界でも名門オーケストラのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で使われている楽器です。
基本的にはFシングルホルンと似ていますが、ロータリーの部分がウィンナバルブというトランペットのピストンのような形であったり管の太さや巻き方がよりナチュラルホルンに近く柔らかい音がでます。
ナチュラルホルン
ロータリーなどメカニカルな部分がない一つの管でできた楽器です。
モーツァルトやベートーベンの時代はこの楽器を使って演奏してました。
今のホルンの原点の形という事で勉強のためにこの楽器を練習する人もいます。
ワーグナーチューバ
この楽器は見た目にもチューバに似ていますがホルンの人が吹けるようになっています。
名前にワーグナーと付いていますがその名の通りワーグナーという作曲家が自身の楽曲に使えるように考案し作った楽器です。
アルトホルン
イギリスではテナーホルンとも呼ばれています。
現在日本の吹奏楽で使われることはほとんどなく、イギリス式のブラスバンドで使われています。
アルプホルン
スイスの山地で使用される楽器。
木をくりぬいてその先にベルが付いただけのシンプルな構造です。
スイスでは3.5m位のものが主流です。
ホルンと名前が付いてるがホルンの人が使わない楽器
名前の中にホルンと付いているので、ぱっと見ホルン?と思われがちですが、
ホルン奏者が演奏しない楽器を紹介していきます。
イングリッシュホルン
これは英語での呼ばれ方で、フランス語ではコールアングレといいます。
諸説ありますが、シャルムという楽器がイギリスで進化をして出来た楽器(ホルン)という説もあります。
オーボエの仲間です。
バセットホルン
バスクラリネットの様な形をしているこの楽器はバセットホルンを言ってホルンと付いていますが、クラリネットの仲間です。
主にモーツァルトの楽曲で使われることが多いです。
フリューゲルホルン
これはホルンと名前がついていますが、トランペットの人が吹く楽器です。
サックスの生みの親のアドルフ・サックスによって作られた楽器です。
トランペットとは違い柔らかい音色が特徴です。
まとめ
ホルンと言っても色んな種類があります。
ホルン「角」という意味で動物の角を使ってできた楽器の総称だったそうです。
拡声器や車のブザーにもホーンという言葉が使われるくらい、幅広い音のなるもの意味として使われる言葉だから、これだけ沢山の種類や形になっていったのではないでしょうか。
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